藤の花が咲き始めた。

子供の頃、歌舞伎のテレビで藤娘を見た時、あんな長くて立派な藤の花があったら素敵だろうな・・・

と、思っていた。

その当時、父の趣味で単管で藤棚を作り藤が庭にあったのだが、葡萄の房くらいしかないかわいいものだった。

周りの藤のある家も大体同じくらいの長さだったから、藤の花はこのくらいの長さにしかならないものだと思っていた。

大層花つきの良い藤で、綺麗でちょとした自慢だったのだけれど、

父がどこからかもらってきたサルナシを藤と同じ棚の反対側に植えたら、

サルナシの勢いに負け枯れそうになって以来花をつけなくなった。

サルナシも実を楽しめたのは、最初の年ぐらい。

ものすごく樹勢が強かったのだけれど、土が合わなかったのか実をつけず、

藤だけでなく、ほかの木にも影響が出始めたので父が切ってしまった。

けれど、以前のような立派な藤に戻ることはなく、これも何年かして父が切った。

亀戸天神の藤を見た時、藤娘のあの藤の花は実在するのだと驚いた。

後にも先にもあれほどすごい藤を見た事がない。

もう一度見たいなぁ・・・

この季節になると、時々思う。

今も、あのころと変わらず立派な花をつけているのだろうかと。

そして、あの濁った池には今も亀がいっぱいいるのだろうかと。

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NaS

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